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蘭 学 事 始(1869年、復刻版)

蘭学事始表.JPG (81454 バイト)

蘭学事始中.JPG (95296 バイト)

寸   法    縦22.5×横15.0cm
入手方法    東京神保町の大屋書店にて購入する。「臓志」などと共に価格は80000円。

解   説   「蘭学事始」は文化12(1815)年4月、83歳の杉田玄白が「解体新書」の翻訳や蘭学創始をめぐっての想い出を綴ったものである。序文に書いてあるように玄白が本書の執筆をおもいたったのは、文化11(1814)年で、途中、重い病気で中断したが1年後に脱稿している。これを大槻玄沢に託し、訂正してできあがったのが本書である。玄沢はこれを「蘭東事始」と名づけた。江戸時代には、刊行本ではなく、杉田玄白の自筆本を多くの者が写本する形で流布していた。その題名も「蘭東事始」「和蘭事始」「蘭学事始」などがあり、誤写や脱漏などもあってどれが原本に忠実かが問題となっていた。刊行に至る経緯は、幕末に神田孝平が本郷湯島の聖堂裏の露店で写本を見つけ、それを福沢諭吉の斡旋で、明治2(1869)年、出版されたのが本書である。もとの写本は「和蘭事始」であり、これを福沢諭吉が「蘭学事始」に直したことがわかっている。なお天真楼とは大槻家のことで、大槻家に所蔵されている写本をもとにしているという意味である。

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